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日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体に認定された意味

どうも、ぺろりんです。

2018年10月24日、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が改正資金決済法に基づく自主規制団体に、金融庁から認定されました。
今回はこの意味について考えてみましょう。

日本仮想通貨交換業協会による自主規制の基本方針などはこちらから見ることができます。

また、「仮想通貨交換業等に関する研究会(第5回)」の資料にも自主規制の話がありましたので、気になる方はこちらからどうぞ。
「仮想通貨交換業等に関する研究会(第5回)」については当ブログでも以前取り上げたので、こちらもよろしければあわせてご覧ください。


日本仮想通貨交換業協会とは?

日本仮想通貨交換業協会は、仮想通貨交換業の
(1)適正性の確保
(2)健全な発展
(3)利用者保護
を目的として、2018年3月29日に設立された団体です。

この日本仮想通貨交換業協会には、2018年10月29日現在で以下16社が会員として登録されてます。
・株式会社マネーパートナーズ
・QUOINE株式会社
・株式会社bitFlyer
・ビットバンク株式会社
・SBIバーチャル・カレンシー
・GMOコイン株式会社
・ビットトレード株式会社
・BTCボックス株式会社
・株式会社ビットポイントジャパン
・株式会社DMM Bitcoin
・株式会社ビットアルゴ取引所東京
・Bitgate株式会社
・株式会社BitOcean
・株式会社フィスコ仮想通貨取引所
・テックビューロ株式会社
・株式会社Xtheta

(参考)
協会概要(一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会)
「日本仮想通貨交換業協会」が正式発足、ルール整備で信頼回復を目指す(TechCrunch)
日本仮想通貨交換業協会が発足 —— 求められる「金融機関としての自覚」(BUSINESS INSIDER JAPAN)
金融庁、「日本仮想通貨交換業協会」を自主規制団体に認定--登録業者16社で構成(CNET Japan)


改正資金決済法に基づく自主規制団体とは?

もう少しちゃんと言うと、「『資金決済に関する法律』第87条に規定されている『認定資金決済事業者協会』」ですが、この「認定資金決済事業者協会」とはどんなものでしょうか?

これは以下のように規定されています。

第八十七条 内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者が設立した一般社団法人であって、次に掲げる要件に該当すると認められるものを、その申請により、次条に規定する業務(以下この章において「認定業務」という。)を行う者として認定することができる。
一 前払式支払手段(第三条第一項に規定する前払式支払手段をいう。以下この章において同じ。)の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業の適切な実施を確保し、並びにこれらの健全な発展及び利用者(第十条第一項第四号に規定する加盟店を含む。以下この章において同じ。)の利益の保護に資することを目的とすること。
二 前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者を社員(以下この章において「会員」という。)とする旨の定款の定めがあること。
三 認定業務を適正かつ確実に行うに必要な業務の実施の方法を定めているものであること。
四 認定業務を適正かつ確実に行うに足りる知識及び能力並びに財産的基礎を有するものであること。

資金決済に関する法律 第87条より)


ザクっというと、仮想通貨交換業の
(1)適正性の確保
(2)健全な発展
(3)利用者保護
を目的として、会員たちでしっかり自主規制しましょうね、という感じでしょうか。


日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体に認定された意味とは?

どういうメリットがあるか考えてみる

一番大きいのはやはり、「仮想通貨業界の信用度を上げる」ということではないでしょうか。

仮想通貨交換業等に関する研究会(第5回)の資料でも2018年8月31日時点の市場規模が約25兆円と見積もられているように、仮想通貨市場はすでにかなり大きな市場となっています。
この有望な市場を無駄にせず、健全に発展させるにはまずこの市場が「マトモ」であることを示さないといけません。

少なくとも日本においては行政機関の信用度は高く認知されていると思われるので、行政機関である金融庁から認められることは信用度向上という意味で重要な一歩でしょう。


DJ Nobbyさんによる解説

これはVoicyでDJ Nobbyさんがとても分かりやすく解説されていました。


この回の「きょうの言葉」によると、この認定により、自主的にある程度ルールを定めることで「自由に営業活動」できるようになるというメリットがあるとのことでした。

もう少し詳しく書くと、以下のような解説がありました。

・法律だけではカバーしきれないような細かなルールを作って、業界団体に違反がないか取り締まるような自主規制団体がないと、金融庁からお墨付きを得られ辛くなり、法律がどんどん厳しくなってしまう。
・法律が厳しくなってしまう前に自主規制団体を設立して業界全体でルールを決めることで、これに則って活動しているアピールを金融庁や世間にアピールして、金融庁からお墨付きを与えてもらうことが目的。

(参考)
認定資金決済事業者協会の認定について(金融庁)
資金決済に関する法律第87条に基づく認定資金決済事業者協会の認定取得のお知らせ(一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会)
金融庁 仮想通貨協会、自主規制団体に認定 健全化狙い(毎日新聞)
仮想通貨、自主規制団体を認定 金融庁(日本経済新聞)
金融庁が「自主規制団体」認可へ、日本の仮想通貨業界のターニングポイントに|ロイター報道 (CoinPost)
JVCEAが仮想通貨自主規制団体の金融庁認定を受け会見、年内にICO自主規制規則の確定・公表も(仮想通貨 Watch)


まとめ

今回は、「日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体に認定された」ことがどういうことかを考えました。

自主規制団体への認定は、仮想通貨の業界団体が行政のお墨付きを得ることにより信用度を向上し、健全に仮想通貨業界を発展させていくための試みと思われます。
あえて自分で規制することにより、法律が必要以上に厳しくなることを防ぐという意味でも重要そうです。

「仮想通貨」という選択肢がすべてではないと思いますが、これを「お金」や「金融商品」の有用な選択肢としておくことは社会的な利便性向上に役立つことだと思います。
この意味でも、日本仮想通貨交換業協会がきっちりと自主規制を機能させ、世間の信用を得ることで「ちゃんとした」業界に仕上がることを期待しています。

テーマ : 仮想通貨
ジャンル : 株式・投資・マネー

Keyword : 仮想通貨仮想通貨取引所日本仮想通貨交換業協会金融庁自主規制団体

仮想通貨とポイントの違いと、仮想通貨を発行する意味のある場合を考えてみる

どうも、敬虔なジャンプ読者のぺろりんです。

今回は、仮想通貨とポイントの違いについて考えてみようかと思います。

というのも、いまだに毎週購読している週刊少年ジャンプを読んでいたらこの話題が出てきたのです。
2018年33号には50周年記念号ということで「こち亀」が載っていたのですが、その中で両さんと中川が次のようなやり取りをしていました。


 両さん「仮想通貨はその店だけで使えるポイントみたいなもんだろ」
 中川「まっザックリ言うと」

これを読んで、やっぱ少なくとも世間的にそんな認識だろうなー、と思いました。
たしかに最近よくある「仮想通貨を発行して……」という流れは、両さんが言うようにまさしくただのポイントみたいな感じで発行されている気がします。

ですが、ただのポイントとしての発行だと「仮想通貨だからこそ」という仮想通貨の本質を突いたような使われ方じゃないように思うのです。
というわけで、今回は仮想通貨とポイントを比べてみて、仮想通貨がどういう性質を持っているかを考えてみることにしました。

その上で、どんな使い方であれば仮想通貨を発行する意味があるのかを考えてみます。

(参考)
・週刊少年ジャンプ2018年33号


仮想通貨とポイントの違いって何だろう

とにかく、それぞれの性質を挙げてみて比べてみましょう。
「仮想通貨」、「ポイント」という観点から、思いつくものを挙げてみます。

仮想通貨
・マイナーにより、非中央集権的に発行される
・(取引所に上場した場合)換金可能
・(取引所に上場した場合)価格は市場が決める

ポイント
・発行者により、中央集権的に発行される
・換金可能とは限らない
・(換金できる場合)価格は発行者が決める

両さんの言う「その店だけで使える」という点については、仮想通貨の場合は取引所に上場さえしてしまえば、基本的に通貨ペアを組み合わせれば換金できるのであまり使う場所を制限されません。
ポイントも換金できる設計のものは利用場所の制限はありませんが、換金できないポイントも少なくない気がします。

ここで挙げた中で言えば、“発行者”と“価値の変動性”は特に、仮想通貨とポイントでそれぞれ真逆の特性があります。
厳密に言うと微妙なところもありますが、仮想通貨で中央集権的に発行権限を牛耳る“発行者”は存在しません。
また、ポイントの価値は企業などの発行者が発行時にレートを決めるので固定相場ですが、仮想通貨の価値は市場が決めるため変動相場です。

(参考)
仮想通貨って電子マネーやポイントと何が違うの?(仮想通貨購入方法ガイド)
ビットコインと、Tポイントやマイレージとの本質的な違い(仮想通貨JAPAN)
仮想通貨とポイントの違いとは?(CoinNavi)
今後10年で仮想通貨はメインストリームに、必要な6つの課題|英大学とeToro共同研究 (CoinPost)
ビットコインと企業ポイント(楽天ポイント、Tポイント)などの違い(ビットコイン研究所ブログ)


Voicyの配信で取り上げられていた内容

Voicyという音声メディアの「それでもメディアは面白い /赤メガネとコムギ」という配信の中で、ちょうど今回の話題にピッタリの内容が取り上げられていました!


この配信では色々と特徴を挙げられていましたが、個人的に重要かなと思った項目を列挙してみます。

仮想通貨(トークン)
・使用期限がない
・変動相場制
・発行上限あり
・トークンに情報を付加できる
・非中央集権的

ポイント
・使用期限がある(ポイントにもよりますが)
・固定相場制(基本的に価値は変わらない)
・発行上限なし
・ポイントに情報を付加できない
・中央集権的

利用する上では、使用期限の有無は使い勝手に効いてきますね。
変動相場と発行上限の存在に関しては、この配信でも言及されているように、仮想通貨を保持するモチベーションになります。

配信を聴いていて特にハッとなったのが、「情報を付加できる」という特徴です。
これはたしかに仮想通貨やトークンの顕著な特徴ですね。

ブロックチェーンの出生に関わる「非中央集権」という性質ですが、たしかにここで言われているように、実際に利用するユーザーからはどうでもいいかも知れません。
ただし実利もあって、「非中央集権」化することで第三者による手間賃が省かれ、手数料が安くなるということがあり得ます。


仮想通貨とポイントの違いって何だろう(再)

これまでの内容からすると、以下3つが重要な違いのように思えます。
(1)情報付加ができるか否か
(2)発行者(中央集権か非中央集権か)
(3)価値が変動するか否か

それ自身に「(1)情報付加ができるか否か」というのは、あえてそういう作り方をしない限りポイントには実装されていない、かなり仮想通貨(トークン)に特徴的な性質ではないでしょうか。
「(2)発行者」と「(3)価値が変動するか否か」についてはプロダクトによるところもありますが、これらもほとんどの仮想通貨とポイントに言える違いのように思えます。

加えて、ブロックチェーンという観点から考えると、
(4)すべての取引順序が記録されて管理されているか否か
ということが違っているのではないでしょうか?

基本的にポイントはユーザー間での取引が想定されていないと思われるので、ポイント発行者とユーザー間の取引(トランザクション)は厳格に順序を管理されているでしょうが、発行者とすべてのユーザーを含む全体の取引順が管理される必要はなさそうに思えます。(実際の実装はどうなっているんでしょう?)
こういう状況って、結局発行者のような元締め的第三者が居ないような世界なのかなと思うと、(2)と(4)は最終的に「非中央集権的なシステム」に帰着しそうな気がします。。

そうすると、(2)と(4)は一緒にできて、
(2’)中央集権か非中央集権か
と考えるのがやはり良いかもしれません。


ポイントとは違った、仮想通貨ならではの使い方って何だろう?

以上の違い、特徴を踏まえて、ポイントではなく仮想通貨(トークン)を使う意義がある、もしくは仮想通貨(トークン)でなければいけないような使い方ってどんなものでしょうか?

個人的な見解としては、
(1)トークン自体に情報付加する必要がある
(2’)非中央集権的である必要がある(第三者による手数料をかけたくない、など)
という、このあたりを満たすようなプロダクトであれば、かなりポイントではなく仮想通貨(トークン)を発行する必要性があるんじゃないかと思います。

(2’)について言えば、これは承認などのための「第三者」を置きたくない、もしくはこれまで必要だった「第三者」を取っ払うことでメリットが出るような状況を考えると良いかも知れません。

また、トークン自体に情報付加する必要がある非中央集権的に発行したいものであれば、固定相場であったとしても仮想通貨(トークン)である必要がありそうに思えます。
この意味で、私の見解としては、先ほど挙げた「(3)価値が変動するか否か」は「仮想通貨(トークン)を発行する必要性」には寄与しない性質なんじゃないかと考えています。

(1)と(2’)を満たすプロダクトというのは結局、著作権管理のように、「仮想通貨(トークン)」というよりも「ブロックチェーン」の活用になるかもしれません。
そんな中で、あえて通貨的な役割をする必要があるのはどんな場合なんでしょうか……?

「何らかの“価値”を別の形でストックしておくための“形”」として「通貨」を考えるとすれば、価値あるものを背景に、その価値をトークン化して、それが(1)や(2’)を満たすようなものであれば、それはかなり、「仮想通貨(トークン)」である必要がありますね。
こう考えると、「通貨」として発行したいなら、何らかの価値をトークン化することを前提にする必要がありそうに思えてきます。

そういえば、価値をトークン化する話は、以前イケハヤさんもブログで紹介されていました。

(参考)
【仮想通貨】「トークン」とは何か?事例で解説するよ。(まだ東京で消耗してるの?)


まとめ

さて、今回は仮想通貨とポイントの違いについて考えてみました。

今回考えた中では、以下3点が重要な違いなんじゃないかと提案してみます。
(1)情報付加ができるか否か
(2’)中央集権か非中央集権か
(3)価値が変動するか否か

そして、通貨的な役割をする必要があるもののうち、
(1)トークン自体に情報付加する必要がある
(2’)非中央集権的である必要がある(第三者による手数料をかけたくない、など)
を満たせば、(固定相場であっても)仮想通貨(トークン)ならではの使い方と言えるんじゃないかと考えてみました。
このとき、通貨(=何らかの“価値”を別の形でストックしておくための“形”)的な役割をするためには、そのトークンは何らかの価値に裏付けられている必要があるように思われます。

さて、仮想通貨よりもう少し広く、ブロックチェーンについても少し触れておきます。

個人的な意見としては、あくまでブロックチェーンは技術的な選択肢の一つであって、なんでもかんでも使えばいいというものではないと思います。
以前書いたように、「データの順序付けが、分散システムの中だけで保証できる」ということがブロックチェーンの本質かなと、現状の私は考えています。
なので、データの順序付けが保証される必要があるシステムを、「分散システムで作りたい」ときにブロックチェーンという技術が選択されるべきなのかな、と考えています。

と、こんな感じで今回はこのへんで。

テーマ : 仮想通貨
ジャンル : 株式・投資・マネー

Keyword : ブロックチェーン仮想通貨ビットコインイーサリアム

プロフィール

ぺろりん

Author:ぺろりん
まだ始まってもいない暗号資産(仮想通貨)、今後が楽しみです。
基本的な技術をちゃんと知りたいなぁと思いつつ、まったりお勉強していこうかと思います。

twitter:ぺろりん@ぶろっくちぇーん

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