ブロックチェーン関連の記事紹介まとめ(2020年2月:#397-425)
ブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)関連の記事や論文などのデイリー紹介ツイート、2月分のまとめです!
ご興味ある記事があれば、ぜひ元記事も読んでみてください!
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記事紹介まとめ(2020年2月:#397-425)
Travala公式サイトによると以下の支払い手段を使える様子。(#暗号資産 以外含む)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 1, 2020
AVA,クレカ.PAYPAL,BTC,ETH,DASH,BCH,USDT,LTC,EOS,BNB,XLM,TRX,ADA,XMR,HT,NEO,XRP,XEM,QTUM,NANO,KCS,DGB,KMD,XZC,GUSD#ブロックチェーン #blockchain #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/MDnGYem6sm
色んな人が色んなこと言ってんだろうなw
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 2, 2020
価値の保存には良いかもしれんが、決済手段としてはボラティリティは気になる。速度や手数料は技術的解決を見込むとしても。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
富による高等教育の格差がこういう試みで減りつつあると思うけど、現状では母国語による格差が開きそうにも思える。なんだかんだで英語が母国語だと、情報得るには有利に思う。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 3, 2020
デジタル通貨に国として舵を切るとすれば、#暗号通貨 の規制も緩和していかないと筋が通らんな。政府や中央銀行発行のものだけ無理やり通すんだろうか?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #まいこつたん
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 4, 2020
LINE上での使い道しかなかったらあんまり意味無いように思うので、どんどんサービス提携していって欲しいところ。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 5, 2020
現状だと意味あんのかなーって印象。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/iu4WpiqK5d
IBMはやっぱ流石だな……もはやビジネスとしてそこそこ軌道に乗ってるのかな?
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 6, 2020
なんだかんだでこの業界で、未だIBMは巨人だな。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
このサービスはどこでマネタイズするんだろ?思想としては好きなんだけど。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 7, 2020
あと、思想自体が #Ethereum と被ってるように思えたけど、SNSってとこが違いって理解で良いのかしら(´・ω・`)#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
面白そうなプログラムだな。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 8, 2020
後日のレポートが楽しみ(´・ω・`)
少なくとも、この案内から日銀もかなりデジタル通貨を意識していることは分かる。慎重に進めてるのも、個人的にはかなり正しい態度だと思う。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
実際にこれでうまく回って実績つくって欲しいですね(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 9, 2020
まぁでも世界的に見ると、そろそろ実例としてもそこそこ知識が貯まってきてる感がある。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
具体的なUIの資料が、フワッとだけど製品ページにありました(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 10, 2020
どんな使い心地なんだろうw#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/xE9JNLkeRi
関連記事のタイトルも見ると、豪がちょっとずつ #ブロックチェーン 関連の取り組みを出していってるっぽいな。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 11, 2020
やっぱ工業先進国が多い気もするけど、世界的に、少なくともブロックチェーンは使い出してる印象。#blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
この使い方は正直結構好き。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 12, 2020
アナーキストではないけど、ちょっとそーいう気のある使い方なのも #ビットコイン の発生からするとマッチしてる感もあるw
言論統制、国益を考えても統制基準の見直しはあって良い気がする。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
この考えを進めて、通貨の種類が増えてもマイニングパワーが分散されないようにできないのか?
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 13, 2020
例えばPoWマイニングに特化したチェーンで、ブリッジした他のチェーンのセキュリティを担保する、みたいな。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
格付けはこのサイトで見れます。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 14, 2020
コインだと、A-の #BTC と #ETH が一番評価高いのね(´・ω・`)#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/l6OLdT4GIr
面白い活用事例だな。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 15, 2020
市民が損失になるのがよくわからん。解決したら利益が減るってだけの意味かしら?
あと、市としても解決した方が解決しなかった場合よりも長期的にコストが減るとかにならないのかな?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
Facebookの目的とか目標が実際にはどこまでいけると思ってるかは分からんが、すくなくとも #Libra でだいぶ世界的に状況が動いた感はある。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 16, 2020
あと、結局既得権益者が拒んでるだけって感はやっぱあるな。そらそうだけど。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
日銀副総裁が言う「日本銀行はデジタル通貨を発行する準備ができていなければならない」ってのはかなり賛同。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 17, 2020
社会実装なくても選択しただけで、やるとなれば技術的、業界的にはすぐ出せる水準ではあって欲しいな。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
流石に理解してる人の話で実りある(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 18, 2020
インセンティブを働かせるレベルでトークンの裏付けになる原資確保、ってトークンエコノミーの考えとしてはかなり核心だと思うな。リブラは正にこれに気付いてる。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
実際、送金速度や手数料からすると現状は決済手段としての有用性は乏しく思えるな。ただし、価値保蔵の手段としては機能しつつある。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 19, 2020
コミュニティ的きは、技術的に今後決済手段としての有用性を上げていくのかな?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
#Libra 担当者とかFacebookとしては、本音として実際にはどこまでできると思っていて、どこまでできればOKなんだろう?この文章としては、アフリカ市場を取れればまずはOKと考えているのでは、って意見なのかな(´・ω・`)#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 20, 2020
管轄が金融庁じゃなくて警察庁っての #暗号資産取扱古物商 で知ってへーってなった(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 21, 2020
ずっと現状が続く保証はないだろうけど、規制が厳しくなってる金融庁まわりを回避するのは賢い。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
レバレッジ倍率は確かにもう少し細かくなって良い気がする。#暗号資産 の種類毎とまで言わずも、ランク分けしてランクに基づいた設定とかのが合理的だな。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 22, 2020
ランクの見直しを定期的にすれば、これは何だかフェアな感じがする。#ブロックチェーン #blockchain #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
スタートアップとして一定の評価を得てる感じだな。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 23, 2020
商品数はやっぱ少なく感じてしまう。ユーザ数と流動性を獲得するの頑張って欲しいな。#暗号資産古物商 でSynchroCoin使えるようになるとか、お互いメリットありそう?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
外国でも自国通貨で決済できるの良いな。言われてみれば、そもそも国が違うと別の通貨を使わないといけないってインフラ的には非効率だ(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 24, 2020
リスクもあるが世界統一通貨が望ましい、と個人的には思ってしまう。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
金と連動するのが「デジタルゴールド」かというと、個人的には意味が違う気がするけどな。まぁ言葉を定義しないと議論がナンセンスだが。
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 25, 2020
方向性は面白いけど、期間の違いが残念で、記事としては原因考察も欲しいw#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
ブレイブ公式のリンクも貼っておきます(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 26, 2020
まぁさすがにGAFAが力持ち過ぎてんだな。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/W75T0oaQx2
Re-FungibleTokenは株式会社にも使える……?不健全な広まり方もあるか……?
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 27, 2020
有用に思える反面、ごり押し認知されら微妙なものが高価になる可能性もある……?そこは市場原理で価格によってちゃんと調整されるのかな?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
基本のところだけだけど、分かりやすくてサンプルとしてすぐ使えそう(´・ω・`)
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 28, 2020
こうして見ると、基本的な作り自体は結構簡単に作れるのね。#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたん
内容関係ないけど、ありがちなキャラを押さえてる感あって写真でワロタw
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 29, 2020
公式HPを見ると、結構大きい企業とやり取りあるっぽいな。言い回しは微妙なのかこれ?#ブロックチェーン #blockchain #暗号資産 #仮想通貨 #暗号通貨 #まいこつたんhttps://t.co/SJErSPSgGf
Keyword : 暗号資産仮想通貨暗号通貨ブロックチェーンblockcahin
コロナウィルスに便乗した転売ヤーのマスク買い占めが、経済にどんな影響を及ぼすのか考察してみた
先日Twitterでつぶやいていたのをまじめに考えてみましたw
「転売ヤーは放っておくと市場原理で到達されるから放っておいておk」っての、そこまで合理的ではないのかも?
— ぺろりん@ぶろっくちぇーん (@peroincahin) February 28, 2020
最適な資源配分を目標とすると、転売ヤーが配分に関して、普通なら届きにくいところまで届けられるとかの価値を提供しないなら、買い占めによってむしろ機会を損失させてないだろうか?
連日見かけるコロナウィルスの話題の中に、大量のマスクが野ざらしになっていたというニュースがトレンドになっていました。
記事を読むと転売の意図はなかったとのことですが、(本人の意図はどうあれ)このニュースを取り上げたツイートを見ていると転売屋による買い占めの話題に発展していたりもしました。
「転売屋は、皆がスルーして買わなければ市場原理で淘汰される」という考えもよく見かけますが、実際のところ、経済(特に市場)に対して転売屋の買い占めはどんな影響を及ぼすのでしょうか?
……というのが気になったので、まじめに考えてみましたw
ここで考えた結論としては、「(転売のための転売は)経済厚生を減らし、場合によっては不経済をもたらす」です。
考えたいこと
まず、考えたい内容を明確にしておきます。
考えたいのは、「純粋な転売屋が経済(特に市場)へ及ぼす影響」です。
ここで、「純粋な転売屋」(転売ヤー)は「他に便益(付加価値)を生まず、単に1次市場から買い上げて、価格のみ上乗せして別の人に売る人」(転売のための転売をする人)を考えることにします。
たとえば、「居住地の問題などでマスクを入手するのが困難な人たちに対して、1次市場で買い上げて配送費とマージンを上乗せしたマスクを売る」ような場合は他の便益を生んでいると考え、ここで考える「純粋な転売屋」には含まれないものとします。
今回は、具体例として「コロナウィルスに便乗した、転売ヤーによるマスクの買い占め」をイメージしておくことにしましょう。
「マスク」を他のものに置き換えれば、他の場合にも適用できるはずです。
転売ヤーが1次市場に与える影響
考え方の方針
転売ヤーの市場について
「純粋な転売屋」(転売ヤー)は、マスクを生産するわけではありません。
なので、「転売ヤーによる市場(転売市場)」というのは「マスクの生産者と、マスクの消費者からなる1次市場」とは別の市場(2次市場)と考えるのが妥当であるという立場で考察をすすめます。
1次市場において転売ヤーはマスクを供給するわけではなく、「生産者からマスクを買う」という意味で、彼らはこの市場ではむしろ消費者(需要側)として振舞います。
この認識が、今回の考察の出発点です。
ですので、これが間違っている(もしくは同意できない)のであれば以下はすべて間違っています。
進め方
素人でむずかしいことは分からないので、マンキュー先生の入門書にある以下のアプローチで、市場均衡の変化を分析してみます。
(1)需要曲線、供給曲線がシフトするかを考える
(2)曲線のシフトの方向を決める
(3)図を描いて、均衡点の変化をみる
記号について
以下のような記号を使います。(実際には、区別するためこれらに添え字をつけたものを使っています)
・D:需要曲線
・S:供給曲線
・Q:生産量
・P:価格
参考
・N・グレゴリー・マンキュー『マンキュー入門経済学(第3版) 』(東洋経済新報社)
(1)需要曲線、供給曲線がシフトするかを考える
需要曲線はシフトするか?
転売ヤーによる転売市場に消費者が流入するかどうかで、需要曲線のシフトが起きるか場合分けできるかと思います。
(A)消費者が転売ヤーを完全に無視できた場合、需要曲線はシフトしない。
(B)消費者のうち少数でも転売ヤーから買う場合、需要曲線はシフトする。
実際には「(A)を目指しつつも(B)になる」って感じでしょうね。。
供給曲線はシフトするか?
こちらは、「生産することのない」転売ヤーが1次市場での供給量を減らすことで、供給曲線はシフトすると考えられます。
(2)曲線のシフトの方向を決める
需要曲線のシフトの方向
先ほどの(B)の場合、代替財的な市場として転売ヤーの2次市場があります。
消費者がこの転売市場に流れる場合は1次市場の需要量が減るので、需要曲線は左方にシフトします。

供給曲線のシフトの方向
転売ヤーの買い占めにより1次市場に出回るマスクは減るので、すべての価格で供給量は減少し、供給曲線は左方にシフトします。

(3)図を描いて、均衡点の変化をみる
(A)需要曲線がシフトしない場合
この場合、供給曲線のみシフトします。

すでに指摘したように供給量はQ0からQ1に減少し、価格はP0からP1に上昇します。
これにより、総余剰(生産者と消費者が得られる便益の合計)は下図の三角に囲った領域なので、シフト後に総余剰は小さくなります。

つまり、生産者も消費者も取り分が減っています。
(B)需要曲線がシフトする場合
この場合、需要曲線と供給曲線の両方がシフトします。
消費者がどれだけ1次市場から流出するかで新しい均衡価格が元の均衡価格より上がるか下がるかが違うものの、生産量は下がります。


この場合もいずれにせよ総余剰が減少し、生産者も消費者も取り分が減っています。


1次市場のまとめ
当たり前ではありますが、転売ヤーが買い占めた分、元の均衡点よりも1次市場でマスクを買える消費者は少なくなります。
さらに、新しい均衡点に移動することで、1次市場では生産者にとっても自体を悪くしているようです。
供給曲線のみシフトする場合でさえ、市場原理からすると、1次市場での供給量が減少することで新しい均衡価格は元の価格よりも高くなり、この価格で購入する消費者が減り、生産者の取り分も減ってしまっています。
2次市場(転売市場)の考察
では、転売ヤーによる2次市場はどうでしょうか?
1次市場の需給曲線に対する2次市場の需給曲線を描いてみました。
1stが1次市場、2ndが2次市場の線です。

この図では以下の2つを主張しています。
(1)需要量の最大値は1次市場の需要量なので、この2次市場は常に1次市場の需要曲線よりも下にある
(2)転売ヤーの費用の最低額は1次市場の均衡価格による購入額なので、供給曲線は常に1次市場の供給曲線よりも上にある
「純粋な転売屋」(転売ヤー)を考えているので、どちらも「2次市場では1次市場と同じものが売られている(付加価値がない)」という前提です。
(1)について
ここで考えている転売ヤーは1次市場とまったく同じものを売っているので、消費者からすると1次市場と2次市場はあえてどちらかで買う理由はなく、同じ市場です。
したがって、転売ヤーが居ない状況での需要曲線が、転売ヤーによる2次市場が相手にできる最大の需要と言えます。
1次市場がなくなって、2次市場だけになった極限がこれにあたります。
(2)について
ここで考えている転売ヤーは1次市場で売られているものを1次市場の価格で購入し、それをそのまま2次市場で売ります。
したがって、交通費などの諸経費が他にかからない場合、1次市場での購入額のみが彼らの費用になります。
そうすると1次市場での購入額が損益分岐点となり、1次市場の供給曲線が彼らの損益分岐点を表す線なので、転売ヤーが利益を得るためには必ず1次市場の供給曲線よりも2次市場の供給曲線は上にないといけません。
また、1次市場の均衡価格が市場均衡における転売ヤーの購入価格になるので、2次市場ではこれが価格の下限値になってしまいます。
価格に下限があると、均衡価格が価格の下限よりも下になる需要曲線の場合に余剰が発生します。

この余剰は、需要と供給の価格によるマッチングが失敗して、経済に無駄が生じています。
価格の下限よりも均衡価格が上にあるような需要曲線の位置であればこの無駄は生じませんが、おそらく現実的には転売ヤーによる2次市場に流れる人は少なく、本来の2次市場の均衡価格は下限よりも低い位置にあるのではないでしょうか。(ここは個人的な推測です)
1次市場と2次市場からなる市場の考察
2次市場における下限値の存在とその影響を考えると1次市場と2次市場は分けて考える方が良いと個人的には考えていますが、消費者からすると同じ市場ということから仮にこの全体の市場を考えたとしても、これは(転売ヤーによる)供給側の価格上昇という意味で(1次市場と2次市場を分けて考えた場合は、1次市場における「供給の」減少と考えた)供給曲線を上(もしくは左)にシフトさせて、結局1次市場のみで考えた供給曲線のみシフトする場合に帰着します。
そうすると結局、総余剰は少なくなってしまいます。
中古市場や古物市場との違い
少なくとも以下2つの場合において、転売ヤーによる転売市場とは事情が違っていて、中古市場や古物市場では真っ当に付加価値を生めているように思えます。
(1)1次市場の売値よりも安価に仕入れられ、2次市場は1次市場に比べて同じものが安価に出回る場合。
(2)楽器やアンティークなど古いこと自体に価値があり、2次市場は1次市場に比べて同じものが高価に出回る場合。
まとめ
転売のための転売をする「純粋な転売屋」(転売ヤー)による買い占めと転売が経済(とくに市場)にどう影響するか、を考察してみました。
転売ヤーによる転売は、以下の2点で経済に悪影響を及ぼすというのが今回考察した結論です。
(1)1次市場において、常に総余剰を減少させる。
(2)2次市場において、価格の下限値が自然に導入されることで市場の効率性を損なう場合がある。
また中古市場や古物市場においては、安価に出回る点、高価に出回る場合も付加価値がある点で転売ヤーの転売とは事情が異なっていると考えられます。
転売ヤーが在庫をかかえるのは、まさに2次市場における価格の下限値による不経済が起きているように思えます。
「転売のための転売が市場原理で淘汰されるから放っとけ」という意見には同意しつつも微妙に違和感を感じていましたが、たぶんこの価格の下限値による不経済が考慮されていない点が気持ち悪かった気がします。
悪影響を与える可能性を考えると、転売のための転売は認めない方が経済にとって合理的に思えます。
まぁこう考えると、転売するにしても何かしらの付加価値がないと自分の首をしめて失敗しそうなので注意したいところです。
テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済