コインチェック事件のその後と最近の仮想通貨業界
どうも、ぺろりんです。
以前の記事でcoincheck(コインチェック)のNEM流出事件についてまとめましたが、個人的な頭の整理もかねて、今回はその後の展開をまとめておこうかと思います。
金融庁が本腰を入れて動きだしたりcoincheckが買収されたり、この数か月で仮想通貨業界の歴史が動いているなぁと思いつつ、何が起きたのかをこのあたりでもう一度まとめておこうかなぁと。
以前の記事では2018/2/4時点までの動向をまとめました。
これは、金融庁によるcoincheckへの立ち入り調査が実施されてすぐくらいでした。
今回は、その後の動向をまとめてみます。
NEM流出事件のその後
金融庁によるcoincheckへの立ち入り調査実施後、他の業者へも立ち入り調査が波及します。
2018/2/8、金融庁の登録業者およびみなし業者からなるすべての仮想通貨取引所31社について、金融庁による立ち入り調査が実施されます。
2018/2/9には凍結されていたcoincheckのユーザー口座から日本円出金が再開されました。
そして立ち入り調査後の報告期限である2018/2/13、coincheckから報告書を提出し、coincheck COOの大塚氏による緊急記者会見も開かれました。
2018/3/8には2度目の業務改善命令が金融庁からcoincheckへ出され、2018/3/12には予告されていた方針によるNEMの補償が始まり、一部仮想通貨の売却および出金も再開されました。
流出したNEMはダークウェブ経由で匿名性の高い通貨を経由して資金洗浄され、2018/3/20にはついにNEM財団による流出NEMの追跡が終了されました。
そして2度目の業務改善命令の報告期限である2018/3/22に報告書の提出を報せるとともに、LSK(LISK:リスク)とFCT(Factom:ファクトム)の売却と出金も再開されました。
日本の新年度に入った2018/4/6、REP(Augur:オーガー)、DASH(ダッシュ)、ZEC(Zcash:ジーキャッシュ) の売却および出金再開とともに、coincheckがマネックスグループにより買収されるという大きな動きがありました。
ここまでが、2018/4/14時点での大まかな動向かな、という理解です。
(書きもらしていたら追記しますので、メールフォームからご指摘いただけると助かります)
(参考)
・コインチェック以外の仮想通貨業者も立ち入りへ 金融庁(朝日新聞デジタル)
・仮想通貨、2取引所検査 全社立ち入りへ(毎日新聞)
・国内の取引所へ金融庁の立ち入り検査始まる(仮想通貨JAPAN)
・日本円出金再開のお知らせ(coincheck)
・業務改善命令に係る報告書提出のご報告(coincheck)
・日本円振込のお知らせ(coincheck)
・「コインチェック出金再開」を報告する心中複雑な投資家たち(Business Insider Japan)
・当社に対する金融庁の業務改善命令について(coincheck)
・NEM保有者への補償は来週めど――2回目の業務改善命令を受けたコインチェックが会見(TechCrunch Japan)
・不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償について(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(coincheck)
・NEM/XEMの補償金が日本円で入金されました その税金の処理は?(谷口孔陛 税理士事務所)
・コインチェック、NEMの補償を開始--仮想通貨の出金・売却も一部再開( CNET Japan)
・コインチェック流出NEM、ダークウェブで4割販売済み(YOMIURI ONLINE)
・NEM財団、流出した仮想通貨「NEM」の追跡を終了(ねとらぼ)
・コインチェックから流出したNEM、追跡打ち切り NEM財団が声明(ITmedia NEWS)
・NEM財団がハッカーの追跡を終了、事実上の敗北宣言(格差脱出の資産運用)
・業務改善命令に対する業務改善計画書提出のご報告(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(LSK、FCT)(coincheck)
・コインチェック株式会社、マネックスグループ株式会社の完全子会社化及び新経営体制のご報告(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(REP、DASH、ZEC)(coincheck)
マネックスGによるcoincheckの買収
さて、coincheckがついに買収されました。
NEM流出事件直後からこの可能性も話題に挙がっており、選択肢の1つとして有用なものだったのでしょう。
買収したのはマネックスグループという、マネックス証券などを運営する「IT」というよりも「金融」の会社。
36億円での買収とのことですが、これが“お買い得”となるか否かは今後の動向によりますね。
2018/4/6に財務諸表が公表されましたが、売上高772億円ってすごいな。。
これにより和田・大塚両氏は取締役を退任し執行役員への就任となりましたが、マネックスGの松本社長によると今後の社長復帰もあり得るとのことで、これは先輩経営者が後輩の経営者を“助けた”ような形に見えるのは私がチョロイのだろうか。
個人的にはポジティブな買収だったのかな、という印象を持っています。
これは仮想通貨市場でも株式市場でも好感を持たれている様子です。
買収発覚時にマネックスの株価が上がったり、これ以後は仮想通貨市場も上昇傾向にあるように見えます。
(参考)
・【速報】マネックスがcoincheck買収か?仮想通貨価格は報道を受けて回復中。(まだ仮想通貨持ってないの?)
・コインチェック(coincheck)買収を受け入れ|マネックスが買収決定!(bitcoin Feed)
・マネックス証券がコインチェック買収か?今後どうなる【みんなの反応】(COINHACK2)
・コインチェックの財務諸表が初開示、17年3月期の純資産は5.4億円(au Webポータル経済・ITニュース)
・初開示されたコインチェック社の業績を見たら、諭吉でも人の上に立つレベル。そして買収額が安価な理由とは (IT RUSH!)
・なぜコインチェックを買収? マネックス社長「仮想通貨は重要な資産クラスになる」(engadget 日本版)
「仮想通貨交換業等に関する研究会」
2018/4/10、金融庁により「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第1回会合が開かれました。
メンバー名簿を見た感じでは、技術的なところは置いておいて法的な部分に重点が置かれているように見えます。
参考に挙げた金融庁のページに資料がありますが、なかなかちゃんと調べられていて良い資料ですね。
ようやくまともな議論ができるくらいに理解が進みつつあるのかなという印象を受けます。
ICOについても1つのテーマとして議論して賛否両論あったようで、安全性のための規制だけでなく、規制することによる有望な企業への悪影響やICOのメリットについても言及されたみたいですね。
こういう建設的な議論ができるようになってきたのは良い傾向かと思います。
(参考)
・「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第1回)議事次第(金融庁)
・ICOが諸悪の根源? 金融庁「仮想通貨研究会」の行方(MONEY PLUS)
まとめ
今年1月のNEM流出事件を受けて2月初めにcoincheckが業務改善命令を受けた後の仮想通貨業界の大まかな動向を、coincheckを中心としてまとめてみました。
やはり一番大きなターニングポイントというのがマネックスグループによるcoincheckの買収でしょう。
NEM流出事件からずっと低調、もしくは下降傾向にあった仮想通貨市場が、恐らくこれを機に上昇傾向に転じているように見えます。
金融のノウハウを持ったマネックスグループとの協働によりcoincheckが以下に復活するか、そして今後も仮想通貨業界を盛り上げてくれるのか、というところに注目したいです。
個人的な感想としては、手数料は高いんですが、UIは使いやすいし購入自体もやりやすいcoincheckは結構好きです。
また、今回の対応は悪くなかったと思っていますし、若い経営者が頑張っているというのも応援したいです。
仮想通貨業界の動向としては、金融庁の会合がなかなか良いもののように思えて今後に期待が持てるかな、という印象です。
しっかり議論して、現状のバカげた税金計算も改善していただきたいところです。
引き続き、仮想通貨業界の動向を興味深く見ていきたいとおもいます。
ではでは今回はこのへんで。
以前の記事でcoincheck(コインチェック)のNEM流出事件についてまとめましたが、個人的な頭の整理もかねて、今回はその後の展開をまとめておこうかと思います。
金融庁が本腰を入れて動きだしたりcoincheckが買収されたり、この数か月で仮想通貨業界の歴史が動いているなぁと思いつつ、何が起きたのかをこのあたりでもう一度まとめておこうかなぁと。
以前の記事では2018/2/4時点までの動向をまとめました。
これは、金融庁によるcoincheckへの立ち入り調査が実施されてすぐくらいでした。
今回は、その後の動向をまとめてみます。
NEM流出事件のその後
金融庁によるcoincheckへの立ち入り調査実施後、他の業者へも立ち入り調査が波及します。
2018/2/8、金融庁の登録業者およびみなし業者からなるすべての仮想通貨取引所31社について、金融庁による立ち入り調査が実施されます。
2018/2/9には凍結されていたcoincheckのユーザー口座から日本円出金が再開されました。
そして立ち入り調査後の報告期限である2018/2/13、coincheckから報告書を提出し、coincheck COOの大塚氏による緊急記者会見も開かれました。
2018/3/8には2度目の業務改善命令が金融庁からcoincheckへ出され、2018/3/12には予告されていた方針によるNEMの補償が始まり、一部仮想通貨の売却および出金も再開されました。
流出したNEMはダークウェブ経由で匿名性の高い通貨を経由して資金洗浄され、2018/3/20にはついにNEM財団による流出NEMの追跡が終了されました。
そして2度目の業務改善命令の報告期限である2018/3/22に報告書の提出を報せるとともに、LSK(LISK:リスク)とFCT(Factom:ファクトム)の売却と出金も再開されました。
日本の新年度に入った2018/4/6、REP(Augur:オーガー)、DASH(ダッシュ)、ZEC(Zcash:ジーキャッシュ) の売却および出金再開とともに、coincheckがマネックスグループにより買収されるという大きな動きがありました。
ここまでが、2018/4/14時点での大まかな動向かな、という理解です。
(書きもらしていたら追記しますので、メールフォームからご指摘いただけると助かります)
(参考)
・コインチェック以外の仮想通貨業者も立ち入りへ 金融庁(朝日新聞デジタル)
・仮想通貨、2取引所検査 全社立ち入りへ(毎日新聞)
・国内の取引所へ金融庁の立ち入り検査始まる(仮想通貨JAPAN)
・日本円出金再開のお知らせ(coincheck)
・業務改善命令に係る報告書提出のご報告(coincheck)
・日本円振込のお知らせ(coincheck)
・「コインチェック出金再開」を報告する心中複雑な投資家たち(Business Insider Japan)
・当社に対する金融庁の業務改善命令について(coincheck)
・NEM保有者への補償は来週めど――2回目の業務改善命令を受けたコインチェックが会見(TechCrunch Japan)
・不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償について(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(coincheck)
・NEM/XEMの補償金が日本円で入金されました その税金の処理は?(谷口孔陛 税理士事務所)
・コインチェック、NEMの補償を開始--仮想通貨の出金・売却も一部再開( CNET Japan)
・コインチェック流出NEM、ダークウェブで4割販売済み(YOMIURI ONLINE)
・NEM財団、流出した仮想通貨「NEM」の追跡を終了(ねとらぼ)
・コインチェックから流出したNEM、追跡打ち切り NEM財団が声明(ITmedia NEWS)
・NEM財団がハッカーの追跡を終了、事実上の敗北宣言(格差脱出の資産運用)
・業務改善命令に対する業務改善計画書提出のご報告(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(LSK、FCT)(coincheck)
・コインチェック株式会社、マネックスグループ株式会社の完全子会社化及び新経営体制のご報告(coincheck)
・一部仮想通貨の出金、売却再開のお知らせ(REP、DASH、ZEC)(coincheck)
マネックスGによるcoincheckの買収
さて、coincheckがついに買収されました。
NEM流出事件直後からこの可能性も話題に挙がっており、選択肢の1つとして有用なものだったのでしょう。
買収したのはマネックスグループという、マネックス証券などを運営する「IT」というよりも「金融」の会社。
36億円での買収とのことですが、これが“お買い得”となるか否かは今後の動向によりますね。
2018/4/6に財務諸表が公表されましたが、売上高772億円ってすごいな。。
これにより和田・大塚両氏は取締役を退任し執行役員への就任となりましたが、マネックスGの松本社長によると今後の社長復帰もあり得るとのことで、これは先輩経営者が後輩の経営者を“助けた”ような形に見えるのは私がチョロイのだろうか。
個人的にはポジティブな買収だったのかな、という印象を持っています。
これは仮想通貨市場でも株式市場でも好感を持たれている様子です。
買収発覚時にマネックスの株価が上がったり、これ以後は仮想通貨市場も上昇傾向にあるように見えます。
(参考)
・【速報】マネックスがcoincheck買収か?仮想通貨価格は報道を受けて回復中。(まだ仮想通貨持ってないの?)
・コインチェック(coincheck)買収を受け入れ|マネックスが買収決定!(bitcoin Feed)
・マネックス証券がコインチェック買収か?今後どうなる【みんなの反応】(COINHACK2)
・コインチェックの財務諸表が初開示、17年3月期の純資産は5.4億円(au Webポータル経済・ITニュース)
・初開示されたコインチェック社の業績を見たら、諭吉でも人の上に立つレベル。そして買収額が安価な理由とは (IT RUSH!)
・なぜコインチェックを買収? マネックス社長「仮想通貨は重要な資産クラスになる」(engadget 日本版)
「仮想通貨交換業等に関する研究会」
2018/4/10、金融庁により「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第1回会合が開かれました。
メンバー名簿を見た感じでは、技術的なところは置いておいて法的な部分に重点が置かれているように見えます。
参考に挙げた金融庁のページに資料がありますが、なかなかちゃんと調べられていて良い資料ですね。
ようやくまともな議論ができるくらいに理解が進みつつあるのかなという印象を受けます。
ICOについても1つのテーマとして議論して賛否両論あったようで、安全性のための規制だけでなく、規制することによる有望な企業への悪影響やICOのメリットについても言及されたみたいですね。
こういう建設的な議論ができるようになってきたのは良い傾向かと思います。
(参考)
・「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第1回)議事次第(金融庁)
・ICOが諸悪の根源? 金融庁「仮想通貨研究会」の行方(MONEY PLUS)
まとめ
今年1月のNEM流出事件を受けて2月初めにcoincheckが業務改善命令を受けた後の仮想通貨業界の大まかな動向を、coincheckを中心としてまとめてみました。
やはり一番大きなターニングポイントというのがマネックスグループによるcoincheckの買収でしょう。
NEM流出事件からずっと低調、もしくは下降傾向にあった仮想通貨市場が、恐らくこれを機に上昇傾向に転じているように見えます。
金融のノウハウを持ったマネックスグループとの協働によりcoincheckが以下に復活するか、そして今後も仮想通貨業界を盛り上げてくれるのか、というところに注目したいです。
個人的な感想としては、手数料は高いんですが、UIは使いやすいし購入自体もやりやすいcoincheckは結構好きです。
また、今回の対応は悪くなかったと思っていますし、若い経営者が頑張っているというのも応援したいです。
仮想通貨業界の動向としては、金融庁の会合がなかなか良いもののように思えて今後に期待が持てるかな、という印象です。
しっかり議論して、現状のバカげた税金計算も改善していただきたいところです。
引き続き、仮想通貨業界の動向を興味深く見ていきたいとおもいます。
ではでは今回はこのへんで。