仮想通貨の普及と取引所
どうも、ぺろりんです。
以前書いた記事でcoincheckの事件について触れましたが、取引所のセキュリティに関しては思うところがあるので私の意見を書いてみようかと思います。
仮想通貨の普及に必要なこと
仮想通貨が普及するためには、取引所が銀行的な役割を果たせるか、もしくは今以上に簡単なハードウェアウォレットが普及する必要がある、というのが私の意見です。
特にあたらしい技術に対して保守的に思える日本では、この保守的な層まで取り込むためには「自分でがんばってセキュリティを確保する」という状況では不十分だと考えています。
税制もアレな感じですが、まずはこちらかなぁ、と。
以下でもう少しくわしくこの考えについて書いてみます。
現状の問題点
特にセキュリティ面で、個人で運用するためには多くの人にとって仮想通貨は難しくかつ面倒である(つまり、“自分で”、しかも“がんばって”セキュリティを確保しないといけない)点が、仮想通貨が普及するための現状における問題点ではないでしょうか。
現状でちゃんとしたセキュリティを保とうとすると、たとえば
(1) ソフトウェアウォレットを自分で用意する
(2) ハードウェアウォレット
を自分で用意する
(3) 自分のPCやスマホなどのセキュリティを自分で確保する
というようなことが要求されます。
これって、一般大衆が必要水準に達するのは、今あるものでは現実的になかなかハードルが高いんじゃないかと思います。
理想的には、もちろん国民の大半がこういうことができるべきですが、現実的ではありません。
私も自分の端末のセキュリティなんて自身ないですし、正直言って、ウォレット経由の送金で1回はセルフGOX[注]しそうな予感がします。。
上記のようなことをするためにはそれなりのITリテラシー必要ですし、それなりの時間をかけて調べたり、調べるにしても英語が必要だったり。。
日本に関して言えば、占い本が売れていたり、疑似科学が広まったり、英語の習得レベルが国際的に低かったりする社会で、こんなことを国民の大半ができると考えるのは現実的とは思えません。
だからこそ、取引所に「セキュリティ」をもとめて多くの人が通貨を預けたままにする現状があるのかなと考えています。
普及されるべき対象となる多くの人は現状ある法定通貨の使い勝手にそこまで不満をいただいておらず、仮想通貨を安全に利用するには現状の法定通貨以上に面倒なことをしないといけない。
言い換えれば、「既存の法定通貨から仮想通貨へ移行する」にあたって
(メリット)<(デメリット)
と感じる。このような状況では「現状に対して不満を抱いていない層」を動かすにはまったくもって不十分です。
問題点を解消するために
仮想通貨の普及のためには、大半の人々にとって、「既存の法定通貨から仮想通貨へ移行する」ことが
(メリット)<(デメリット)
から
(メリット)>(デメリット)
と感じる状況にならなければなりません。
これを実現するために、私は彼らにとっての「メリットを大きくする」よりも「デメリットを小さくすること」が処方箋となると考えています。
「メリットを大きくする」よりも「デメリットを小さくする」方が、まだまだやることがあるのでは、と考えています。
この「デメリットを小さくする」ためにやるべきこととして、このような「自分でがんばらないと仮想通貨を安全に利用できない」状況は、
(1) 仮想通貨の銀行が出現する
(2) 今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
のどちらかまたは両方によって解決が可能だと考えています。
(1)仮想通貨の銀行が出現する
これが実現されることで、
・“自分で”セキュリティを確保する必要性
・“頑張って”セキュリティを確保する必要性
という2点が解決されます。
必ずしもはじめの方に述べたように取引所が担う必要はありませんが、現状の延長として取引所がこの役割を担うことは現実的な発展かと考えています。
仮想通貨やブロックチェーンの本来の思想からすれば、この中央集権的な考えをともなう「銀行」という存在は歓迎されません。
しかしながら、おそらく(少なくとも日本に住んでいる印象では、この国では)民衆の大半が「銀行」という概念を嫌悪しておらず、むしろ自分が負うべき責任から解放されるための道具として積極的に利用しているように感じます。
この立場から、仮想通貨が普及するにしても、特に日本から銀行が消失することは(少なくともすぐには)ないとも考えています。
(2)今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
これが実現されることで、
・“頑張って”セキュリティを確保する必要性
という点が解決されます。
(1)にくらべると、“自分で”セキュリティを確保する必要性という先述した意味での「デメリット」は残ります。
しかし、こちらは(1)で含まれた中央集権的な(「銀行」という)概念は不要であり、よりブロックチェーンの思想に即したものとなっています。
また、ガジェットの使い勝手を改良するという方が、個人的には早く実現できる現実的な解決策ではないかと考えています。たとえば人気の Ledger NanoS
ですが、これなんて日本語対応するだけでも日本人的には結構使い勝手が変わるはず。
まとめ
まとめると、仮想通貨の普及には「“自分で”、“頑張って”セキュリティを確保する必要性」が障害となり、その解決のためには
(1) 仮想通貨の銀行が出現する
(2) 今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
の2つの解決策があるというのが私の考えです。
さらに言えば、ブロックチェーンの思想に即しているという観点から、個人的には(2)により普及されるのが望ましいかと考えています。しかしながら、現実的には「自己責任」を大衆が嫌うことにより、仮想通貨が普及するとすれば(1)により2つの「デメリット」が解消されたときなんだろうな、と。
……というようなことを考えている今日この頃ですw
[注]
GOX…取引所の破綻などで仮想通貨が消失し、利用者の手元に戻らなくなること。Mt. GOXの破綻が語源。
セルフGOX…送金アドレスのミスなどによって、自分のせいでGOXしてしまうこと。
以前書いた記事でcoincheckの事件について触れましたが、取引所のセキュリティに関しては思うところがあるので私の意見を書いてみようかと思います。
仮想通貨の普及に必要なこと
仮想通貨が普及するためには、取引所が銀行的な役割を果たせるか、もしくは今以上に簡単なハードウェアウォレットが普及する必要がある、というのが私の意見です。
特にあたらしい技術に対して保守的に思える日本では、この保守的な層まで取り込むためには「自分でがんばってセキュリティを確保する」という状況では不十分だと考えています。
税制もアレな感じですが、まずはこちらかなぁ、と。
以下でもう少しくわしくこの考えについて書いてみます。
現状の問題点
特にセキュリティ面で、個人で運用するためには多くの人にとって仮想通貨は難しくかつ面倒である(つまり、“自分で”、しかも“がんばって”セキュリティを確保しないといけない)点が、仮想通貨が普及するための現状における問題点ではないでしょうか。
現状でちゃんとしたセキュリティを保とうとすると、たとえば
(1) ソフトウェアウォレットを自分で用意する
(2) ハードウェアウォレット

(3) 自分のPCやスマホなどのセキュリティを自分で確保する
というようなことが要求されます。
これって、一般大衆が必要水準に達するのは、今あるものでは現実的になかなかハードルが高いんじゃないかと思います。
理想的には、もちろん国民の大半がこういうことができるべきですが、現実的ではありません。
私も自分の端末のセキュリティなんて自身ないですし、正直言って、ウォレット経由の送金で1回はセルフGOX[注]しそうな予感がします。。
上記のようなことをするためにはそれなりのITリテラシー必要ですし、それなりの時間をかけて調べたり、調べるにしても英語が必要だったり。。
日本に関して言えば、占い本が売れていたり、疑似科学が広まったり、英語の習得レベルが国際的に低かったりする社会で、こんなことを国民の大半ができると考えるのは現実的とは思えません。
だからこそ、取引所に「セキュリティ」をもとめて多くの人が通貨を預けたままにする現状があるのかなと考えています。
普及されるべき対象となる多くの人は現状ある法定通貨の使い勝手にそこまで不満をいただいておらず、仮想通貨を安全に利用するには現状の法定通貨以上に面倒なことをしないといけない。
言い換えれば、「既存の法定通貨から仮想通貨へ移行する」にあたって
(メリット)<(デメリット)
と感じる。このような状況では「現状に対して不満を抱いていない層」を動かすにはまったくもって不十分です。
問題点を解消するために
仮想通貨の普及のためには、大半の人々にとって、「既存の法定通貨から仮想通貨へ移行する」ことが
(メリット)<(デメリット)
から
(メリット)>(デメリット)
と感じる状況にならなければなりません。
これを実現するために、私は彼らにとっての「メリットを大きくする」よりも「デメリットを小さくすること」が処方箋となると考えています。
「メリットを大きくする」よりも「デメリットを小さくする」方が、まだまだやることがあるのでは、と考えています。
この「デメリットを小さくする」ためにやるべきこととして、このような「自分でがんばらないと仮想通貨を安全に利用できない」状況は、
(1) 仮想通貨の銀行が出現する
(2) 今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
のどちらかまたは両方によって解決が可能だと考えています。
(1)仮想通貨の銀行が出現する
これが実現されることで、
・“自分で”セキュリティを確保する必要性
・“頑張って”セキュリティを確保する必要性
という2点が解決されます。
必ずしもはじめの方に述べたように取引所が担う必要はありませんが、現状の延長として取引所がこの役割を担うことは現実的な発展かと考えています。
仮想通貨やブロックチェーンの本来の思想からすれば、この中央集権的な考えをともなう「銀行」という存在は歓迎されません。
しかしながら、おそらく(少なくとも日本に住んでいる印象では、この国では)民衆の大半が「銀行」という概念を嫌悪しておらず、むしろ自分が負うべき責任から解放されるための道具として積極的に利用しているように感じます。
この立場から、仮想通貨が普及するにしても、特に日本から銀行が消失することは(少なくともすぐには)ないとも考えています。
(2)今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
これが実現されることで、
・“頑張って”セキュリティを確保する必要性
という点が解決されます。
(1)にくらべると、“自分で”セキュリティを確保する必要性という先述した意味での「デメリット」は残ります。
しかし、こちらは(1)で含まれた中央集権的な(「銀行」という)概念は不要であり、よりブロックチェーンの思想に即したものとなっています。
また、ガジェットの使い勝手を改良するという方が、個人的には早く実現できる現実的な解決策ではないかと考えています。たとえば人気の Ledger NanoS

まとめ
まとめると、仮想通貨の普及には「“自分で”、“頑張って”セキュリティを確保する必要性」が障害となり、その解決のためには
(1) 仮想通貨の銀行が出現する
(2) 今以上に簡単に利用できるハードウェアウォレットが出現する
の2つの解決策があるというのが私の考えです。
さらに言えば、ブロックチェーンの思想に即しているという観点から、個人的には(2)により普及されるのが望ましいかと考えています。しかしながら、現実的には「自己責任」を大衆が嫌うことにより、仮想通貨が普及するとすれば(1)により2つの「デメリット」が解消されたときなんだろうな、と。
……というようなことを考えている今日この頃ですw
[注]
GOX…取引所の破綻などで仮想通貨が消失し、利用者の手元に戻らなくなること。Mt. GOXの破綻が語源。
セルフGOX…送金アドレスのミスなどによって、自分のせいでGOXしてしまうこと。