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「価値のインターネット」ってなんだろう?

どうも、ぺろりんです。

今回は、Rippleの言う「価値のインターネット」について自分なりに考えて再構築してみました。

抽象化して考えを再構築することで、より広い範囲に応用できるんじゃないかと思っています。

ここでは、「価値」を“資本主義経済における”「価値」であると考えることにします。
この前提で、まず経済学的に「価値」がどう考えられているかを調べ、「インターネット」がどんなものか考えた上で、「価値のインターネット」がどんなものか、どうあるべきものかを考えてみます。


価値とは何だろう?



結論

はじめに結論を書いておくと、資本主義経済において「価値=交換可能性」です。

資本主義経済の本質は「交換」で、この交換の動機は「差異」から生じます。
「差異」のある対象同士が「交換」されたとき、対象の「価値」が実現されます。

私の考えでは、この「差異」には以下の2種類が存在します。
(1)交換“対象”自体が持つ、“質”および“量”の差異
(2)交換対象の“所有者”が持つ、“主観価値”の差異

また、「交換」であるということは、以下のような点を含むことが重要だと考えています。
(A)絶対価値は存在せず、「価値」は常に相対的
(B)やり取りは一方的ではなく、常に2つ以上の対象(「交換するもの」と「交換されるもの」)が登場する


補足

経済学の本なんかには、ここで書いた「交換対象」は「商品」と書かれていたりします。
資本主義経済はこの「商品」の交換によって成り立っているわけですが、交換しようと思うのはなぜかというと、「自分が持っているもの」と「他人が持っているもの」に「差異」があるからです。
まったく同じものだったら交換する意味はありません。

経済学の価値論では、「価値」には「価値(or 交換価値)」と「使用価値」があると言います。

前者の「価値(or 交換価値)」は(1)につながる概念かと思います。
後者の「使用価値」は(2)に当たるもので、近年になって「効用価値」という考えが出てきた流れで「主観価値」とも呼ばれるようになったと理解しています。

(1)の「差異」はわかりやすいのですが、(2)の「差異」は経済学でも議論されるレベルで測定(というか定義)がむずかしいものです。

(2)の「差異」を考える上で、調べていた中で面白かったのが「マズローの欲求5段階説」を用いた話です。
これでもまだギャップがありますが、「主観価値」を定量化する足掛かりにはなりそうに思います。
少なくとも、「主観価値」とか「効用」とだけ言うよりは具体化されています。

(参考)
Textbook 資本主義経済の理論
市場経済と価値―価値論の新機軸 (明治大学社会科学研究所叢書)
限界効用価値説の展開と労働価値説との対比 : マルクス経済学と「限界革命」Ⅳ(山梨学院リポジトリ)
利益を生み出す「価格」の秘密(帝国書院)
経済学と労働価値説(九州大学)
文化と固有価値の経済学(J-Stage)
「価値」とは何か~あなたは価値を生み出せていますか~(Eureka!)
創造性における自己実現欲求と価値について―マズローの自己実現的創造性の検討―(CiNii)
マズロー=ウィルソン欲求理論が含意するもの(II)(明治学院大学)


インターネットとは何だったの?



結論

インターネットは、ひと言で表すなら「“データをやり取りするネットワーク”の、分散管理ネットワーク」です。


補足

Internetの単語自体も、「Inter-(間)Net(=Network)」というつくりをしています。

インターネット以前は、世界各地に点在する企業や学校などが各々が独自にコンピュータのネットワークを構成して、自分たちの中でコンピュータ同士のデータのやり取りをしていました。
インターネットの登場により、個々の組織で閉じていたネットワーク同士がデータのやり取りをできるようになりました。

そしてインターネットは、一元管理する「管理者」は存在しない「分散管理ネットワーク」になっています。

(参考)
平成11年版 通信白書 第1章 特集 インターネット コラム2 インターネット -「ネットワークのネットワーク」-(総務省)
インターネットって何?(総務省)
インターネットとは(日本ネットワークインフォメーションセンター)
【違い2】インターネットとネットワーク(OWLet)
Rippleプロトコル入門(Ripple総合まとめ)


じゃあ、価値のインターネットとは?



結論

私なりの結論としては、「価値のインターネット」とは「分散ネットワークにおける、データ差異の交換」です。

このとき、以下の点に注意する必要があります。
(1)分散ネットワークにおいて、データの一意性が保証されないといけない
(2)「交換」であるので、一方が“全取り”することはできない(「“0”と交換」という広義の解釈はアリだと思います)

すべての“モノ”や“コト”は何らかの方法でデータ化(もしくは「トークン化」)された時点からインターネット上でやり取りが可能になり、それらの差異はデータの一意性が保証された「価値のインターネット」上で「交換」が可能になります。


補足

これまで書いた内容から「価値のインターネット」は、「価値=交換可能性」にあたるデータを「分散ネットワーク」でやり取りするものだと言えます。

インターネット上でやり取りするのはあくまで「データ」で、「価値」の源泉が「差異」にあることから、やり取りされるものは「データの差異」であるはずです。
また、「価値」が実現されるためには「交換」される必要があります。

このような考えから、上記の結論に至りました。

(1)について、「交換可能性」の源泉である「差異」が、(コピペするようなノリで)消えたり簡単に現れたりしては困ります。
「差異」がなくなれば「交換」の動機はなくなるため、この「差異」はやり取り(=「交換」)の間、保存されないといけません。
これは分散ネットワーク上で、データの一意性が保証されていれば良いかと思います。

「データが一意であること」は「同じ時刻にそのデータが1か所にしか存在できない」わけです。
分散ネットワークにおいて、これはブロックチェーンによる「データの順序付け」により達成されます。

(2)について、一方が、もしくは交換の仲介者が“全取り”することを防ぐのは、RippleからすればInterledger Protocol(ILP)で実現できます。
私がここで言う「交換」は何らかの通貨で媒介してもしなくても良いと思っていますが、Ripple的にはXRPに仲介させて「交換」するのがベスト、ということになるのでしょうw

(参考)
価値のインターネット:何を意味し、どのような恩恵を人々に与えるか(Ripple)
Ripple Protocol Consensus Algorithm日本語訳(Qitta)
価値のインターネットとは(Ripple総合まとめ)
IoV(Internet of Value:価値のインターネット)とは・意味(HEDGE GUIDE)
ブロックチェーンがもたらす次の破壊と創造 第6回 日本銀行・副島豊、gumi・國光宏尚、アクセンチュア・高橋良之の3氏による鼎談(日経BizGate)
日本政府は“トークンエコノミー”を理解できていない(アゴラ)


まとめ



資本主義経済における「価値」を前提として、「価値のインターネット」がどんなものか自分なりに考えて再構築してみました。

私の結論としては、「分散ネットワークにおける、データ差異の交換」が「価値のインターネット」であるという考えに至りました。

これは以下のような考えからきています。
(1)インターネットであるからには「分散ネットワーク」でデータがやり取りされる
(2)価値の源泉が差異であることからやり取りされるべきは「データの差異」である
(3)価値を実現するためにやり取りは「交換」でなければならない

抽象化しすぎて無意味になっていたりすると悲しいですが(笑)、ブロックチェーン応用の足しにちょっとでもなれば良いなと思います(´・ω・`)

現状ある考えでの、もう少し具体化された応用というのがイケハヤさんの記事だったり赤メガネとコムギさんのVoicy配信だったりで取り上げられている「トークンエコノミー」の世界観だったりします。
これに関しては、「ポイント」との違いについて考えるのも面白いです。

……といったところで、今回はこのへんで。

テーマ : ビジネスアイディア
ジャンル : ビジネス

Keyword : ブロックチェーンblockcahin仮想通貨暗号資産Rippleリップル価値のインターネット

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Author:ぺろりん
まだ始まってもいない暗号資産(仮想通貨)、今後が楽しみです。
基本的な技術をちゃんと知りたいなぁと思いつつ、まったりお勉強していこうかと思います。

twitter:ぺろりん@ぶろっくちぇーん

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